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コロナ時代の「DX推進」はどうなるか? – リモートワークだけでは意味が無い

2020年04月16日

新型コロナウイルスの影響で4/7より7都道府県で緊急事態宣言が出されました。これを受けて、人々の消費行動はもちろん、企業活動のあり方が大きく変化しています。

株式会社STANDARDでは、以前より企業のDX推進をサポートして参りましたが、今回、お客様からの要望を受けて、新型コロナウイルスにより企業のDX推進がどう変化するのかについて、弊社代表取締役CTOの鶴岡にインタビューを行いました。

 

3行サマリー

ー新型コロナウイルスの影響で社会はどう変化すると考えていますか?

私はここから1~2年は人との接触を少なくした社会に変化することを想定しています。

専門家会議でも説明されているように、日本は収束のピークを後ろにずらすことで医療崩壊を防ぐ戦略をとりました。法律上、海外のような大々的なロックダウンをおこなえないことが原因です。そのため緩やかな自粛体制、人との接触をとることが好まれない状態が続きます

もちろんワクチンの開発と普及が想定より大幅に早まったり、自粛の効果が表れてピークアウトするという可能性もゼロではありません。しかし、新型コロナウイルスの次のウイルス飛来の可能性もありますし、仮に社内で感染者が発生した場合には、多くの企業が実施しているように数週間の強制的なリモートワークが実施されます。

これらを踏まえて、Withコロナ時代の前提として、オンライン化は避けられないと想定すべきでしょう。(※ オンライン化:仕事がオンラインで完結すること、オンラインでの比率が高くなる事。)

オンライン化は避けられないわけですね。

ーそんな中、今後の企業のDX戦略はどうあるべきですか?

私は、今こそ「デジタルによる業務体験の変革」をする時期だと考えています。

今までは、企業の中でDXを進めるにあたって、社内調整で躓いたり、必要性を理解してもらえないというケースも多くありました。
今回のコロナをDXを進めないといけないという”きっかけ”や、社内向けの”言い訳”に使うことで、より企業のDX推進は加速していくでしょう。実際に弊社のお客様の多くがリモートワークへ移行していますし、デジタル技術の活用が一層進んでいます。

【会社視点】

例えば、今までだと、データを細かくとりたいが営業部門が協力してくれないといったこが障壁だったわけですが、リモートになれば評価を決めるために直接結びついてきますからデータを上げざるを得ません。より細かな分析ができ、そのための施策が打てるようになります。

また、今後、採用面接など含めて「新型コロナウイルスが広まった時期にどのような対応を行ったか?」という問いを受けることになるでしょう。データサイエンティストなどは従来からリモートワークなど自由な働き方を好んできましたが、今後はその流れが一層加速すると考えます。

必ずしもオフィスに集まる必要がないのに、集まって仕事をする。このような企業は今後、一層、優秀な人材の採用が難しくなるだけでなく、退職リスクも高くなります。
時代の変化に適応できない企業は、どんどん負のスパイラルに陥ってしまいます。

【個人視点】

今回のコロナによるデジタル化の流れをうけて、今まではデジタル感度が低かった人たちも変わらないといけません。

業務のデジタル化が進んでいくと、「デジタル技術を使いこなせるかどうか?」というスキルの評価の比重が大きくなります。

業務のデジタル化を推進していく中で、積極的にデジタルスキルを身につけた人とそうでない人では、どんどんと格差が広がっていくでしょう。

今回の影響により売上が大きく変動する、対応に追われるという企業も多いかと思いますが、この大きな流れに沿ってDX関連の投資を怠った企業群は、今後生き残れなくなるでしょう。過去のインターネットシフト・スマホシフトと同じかそれ以上の対人接点のシフトが起こりえます。

より一層のDX化が求められるわけですね。

ー具体的にどのように進めていけばよいのでしょうか?

大きく2段階あると考えています。STEP1の緊急措置段階とSTEP2の再定義・再構築段階です。

早い企業だと2月末頃からリモートワークなどに切り替えており、今回の緊急事態宣言によりさらに促進されています。

ただし今はSTEP1の緊急措置段階で、多くの企業が単に従来の業務をオンラインに変更したに過ぎません。まだ多くの従業員が慣れない環境で仕事をしており、中には浮足立っている方も多いかと思います。

まずはリモートワークを通じて以前と同じ生産性を出せる体制に落ち着けることが重要です。様々なデジタルツールや自宅の環境整備に加え、オンラインミーティングなどに慣れることです。

ただ、これだけではDXとは言えません。折角のデジタル化のチャンスを見落としています。
次にすべきは STEP2の再定義・再構築です。理想の業務プロセスから逆算した形をデジタル技術を用いて実現していきます

リモートワークだけではDXとは言えないのですね。

ーSTEP2の再定義・再構築段階ではどのように進めていけばよいのでしょうか?

STEP1では、今までの業務をそのままオンライン上に置き換えるだけでしたが、STEP2では、これまでの制約や前提に縛られず、その業務がそもそも必要だったのか、別の形にしたほうが生産性が高まるのではないかと考え、業務プロセス全体を作り直す必要があります

Withコロナという制約がかえって、イノベーションを生む種となり、ここから想像もつかなかったような働き方やサービス、事業が生まれるはずです。

流れとしては、下記の2ステップです。

  • STEP1:「自社事業の価値を見直し」
  • STEP2:「業務プロセスの再定義・再構築」

STEP1:「自社事業の価値を見直し」

BeforeコロナとWithコロナにおいて、①価値が大きく増加するのか、②価値が大きく低減するのか、③そこまで変化がないのか、を見極めます。

見極めるうえでの考え方としては、コロナによる下記のマクロ的な変化が、自社事業の提供価値の要素に多く含まれているかどうか?というのがポイントです。

【マクロ的な変化の方向性(Before / With)】

  • 密 → 疎
  • 接触 → 非接触
  • 人が動く → モノが動く

このような視点で考えながら、「①価値向上する」場合は、その事業に積極的な投資をする。「②価値減少する」場合は、事業のピボットや改善をしつつ①に近づけていく。「③特に影響なし」の場合は、通常通り顧客に向き合う。という見直しをしていきます。

時代の変化や、環境の変化があると、人のニーズや課題は変化します。その変化に適応できる企業は生き残る、つまり適者生存が加速していくでしょう。

STEP2:「業務プロセスの再定義・再構築」

  • オフラインで行ってきたことをオンライン化した上で生産性をあげるためにはどうすればよいのか。
  • 本当に人がやるべき仕事はどこなのか。
  • 情報の可視化やメンバーマネジメント含めてコミュニケーションのあり方をどう設計すべきか。
  • OJT研修や評価制度はどうあるべきか。

などを考えた上で、デジタル技術が得意な性質を存分に生かした形でDXを進める必要があります。

このときに重要なのが、再度理想形から落とし込むという点と、デジタル技術が何に活用すると効果が高いのかをメンバーで共有することです。

自社事業の価値の変化を見極めて、業務プロセスを理想形からデザインし直す必要があるのですね。

ーこれまでとでは、Withコロナ時代のDX推進はどう違いますか?

「デジタルによる業務体験の変革」をするという点では、これまでとは変わりませんが、今回の外的要因により、より一層流れが加速するでしょう。

これまではオフラインで成果をあげていた方も、オフライン基軸で仕事ができないと、どんどん市場価値が落ちていきます。企業もオンラインで価値を提供できないと市場から消えてしまうでしょう。

これまでとの違いというところで言うと、DX推進主体が変わっていくことが考えられます。これまでは、DX推進室・AI推進室・データサイエンス部などの一部の先進的な部署が会社全体にデジタル化をもたらそうとしており、現場部門や経営層との対立などが生じることが多くありました

しかしWithコロナ時代では、人との接触を少なくした社会になることで、現場部門の一人ひとりが、自分の業務のDXを考える必然性がでてきます。ここで変化に適応できた方が今後付加価値を生み出せ、市場・企業から評価される対象となります。

そして、この変化に対応するためには、トップダウンとボトムアップでの両方向からの取り組みが必要になります
まず全社的な取り組みとして、DX戦略を立て直し、実行していくこと。また急激な変化のため、微細な現場の状況を知る人がこれまで以上に企画・実行フェーズで重要になってきます。

現場サイドで、積極的にデジタル化を進めることも必要です。そのためには全社的に基盤となるデジタルリテラシーを高めることが必須です。「どのテクノロジーで何ができるのか」「それが業務に活かせるのか」「どのように使うのか」を理解する必要性が高まっています。

より現場サイドが重要な役割を担うのですね。

ー最後にDX推進を進める皆さんへメッセージをお願いします。

日本は諸外国に比較してデジタル変革が進んでいないと言われていますが、過去を振り返ると、黒船来航時からの明治維新や第二次世界大戦からの高度成長期など、何かしらの外的危機が生じたとき、ものすごく変化を遂げる国です。

今回の一件でも社会・企業・個人のあり方が大きく変わるでしょう。その際に成長を遂げたのは、新しい時代のイデオロギーを前提にいち早く取り組みを変化させた主体です。歴史を振り返って考えると、今後デジタル変革をして”変化”できない企業に未来はないと言えるでしょう。

そこに必要なのは間違いなく、デジタル人材やデジタル推進への投資、つまり未来への投資です。継続的に生き残るのに必要不可欠な未来への投資を削るのは、寿命を削るのと同義です。

我々、株式会社STANDARDは、企業のデジタル変革(DX)を支援することをミッションに掲げています。みなさんと議論をしながら、少しでも企業のデジタル変革を前に進めればと考えておりますので、お気軽にご相談ください

このような時期だからこそ、より一層次の時代を見据えて、早急に動きましょう。全員が一歩ずつ、少しでも前に歩き出せば、企業は変わり、社会も変わります。

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記事を最後まで読んで頂きまして、誠にありがとうございます。

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鶴岡 友也

株式会社STANDARD 代表取締役 CTO 共同創業者

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