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【失敗事例から学ぶDX】DX推進に立ちはだかる3つの課題と成功要因

2020年07月13日

2019年11月に日経BPが発表した「デジタル化実態調査」によると、DXを推進している国内企業を対象とした327社のうち、「本気で取り組み成果を上げている」と回答した企業は26.3%でした。DXがうまくビジネスに結びついていない企業がまだまだ多くあることがわかります。

「DXが話題になっていて、自社でも検討しているが大きな失敗はしたくない」と考えている方も多いのではないでしょうか?今回は、DXを成功させるために乗り越えるべき3つの壁について、どの時点でつまずいてしまうのか、DX推進ロードマップのステップごとに整理して解説します。

(参照元:日経BP 国内900社の「デジタル化実態調査」を発表

目次

    •   DXプロジェクトでよくある3つの壁
    •   DXを成功に導くためのロードマップ
    •   DX推進の1つめの壁 人を巻き込むのが難しい
    •   DX推進の2つめの壁 アイデアの質が低い
    •   DX推進の3つめの壁 PoCマネジメントができない

DXプロジェクトでよくある3つの壁

DX推進でよくある課題や壁は、驚くほど共通しています。

大きく分けると、1.人を巻き込むのが難しい、2. アイデア(DXプロジェクト企画)の質が低い、3. PoCのマネジメントが出来ずに失敗してしまうという3つに分類できます。

 

逆に言うと、この3つの壁をきちんと乗り越える事が出来れば、DX推進成功の確率を相当上げることが可能になります。

DXを成功に導くためのロードマップ

上記の3つの壁を乗り越えるために、DX推進を3つのステップに分けて考えていきます。このロードマップに沿って、DX推進の壁が具体的にどのようなものなのか?それをどのように乗り越えていけば良いのか?を説明していきます。

 

DX推進の1つめの壁 人を巻き込むのが難しい

 

事業を動かすには、人の存在が欠かせません。しかし、DXは「聞きなじみがなく難しそう」というイメージから、積極的に参画してもらうことが難しい分野でもあります。この壁をより具体的に説明していきます。

1-1. 現場での優先順位が下げられる

DXを進める際に、各部門からデジタル感度が高い方々を集めてDX推進室が設けられます。DX推進室主体で、現場と連携しながら進めて行くのがよくあるパターンです。

しかし、現場のメンバーは普段の業務があります。突然依頼をしても「DXというよくわからないもの」の優先順位は低く、後回しにされてしまうことが多々あります。まずは関係者の方々に自社でDXを進める中長期的なメリットなどの重要性を説明し、少しでも当事者意識を持っていただけるように努めていくことが、最初の一歩になります。

1-2.全社ゴトの取り組みになっていない

DXとは「デジタル技術を用いて顧客に付加価値を与える組織・文化をつくること」です。

誰か一人・一部門だけが取り組めばよいものではありません。もちろん、取組みの最初のフェーズでは一部門からスタートするかもしれません。しかし、その後は全社的に広めていき、全社毎の取り組みとして「組織・文化」をつくる必要があります。

DXは一過性のプロセスではありません。持続的である必要があるため、全社での「組織・文化」の構築も大切になるのです。

1-3.前提知識に差があり、議論がかみ合わない

DXを始めることを決め、課題が明らかになったのはいいものの、前提として「AIとは何か?」「何ができて何ができないのか?」を知らなければ解決策のアイデアについて開発側と議論が進みません。そうならないために、DX推進の初期段階で全員のデジタル技術に関する知識レベルを一定のレベルまで上げることが必要です。

DX推進の2つめの壁 アイデアの質が低い

 

DXによって現状の会社の何を変えるのか、どう解決していけばいいのかを決めるステップです。いくらメンバーの育成をしても、インパクトの大きいDXプロジェクトを推進することが出来なければ、成果は見込めません。この壁をより具体的に説明していきます。

2-1.解決すべき課題を発見できていない

DXの失敗事例の多くは「解決すべき課題を発見できていないこと」が原因です。DXはあくまで課題を解決する手段のひとつです。しかし、DXをすること自体が会社の目的となってしまい、結果として失敗するケースはとても多いです。具体的に次のような事例で考えてみます。

「A社では社内でのQ&Aシステムについて社内wikiを利用していました。あるとき、他社がチャットボットを導入して経費が大幅に削減されたという話が掲示板で「仕事がはかどりそう」と話題になり、自社でも取り入れたいという声が多くあったことから、1000万円をかけて導入しました。しかし、実際に運用してみると年20万円ほどの経費削減にしかなりませんでした。」

A社の場合では単に「チャットボットを使うこと」が目的となっているため、本来解決すべき経営課題である「コストの削減」が無視されてしまっています。会社によって環境が違うため他社が成功しているからといって自社で同じように導入して同様の効果が得られるとは限りません。

2-2.質の高い解決策になっていない

「質の高い解決策」とは、「最低限のリソースで、解決すべき課題を必要十分に解決している」ものです。せっかく開発するのならあれもこれも、と足していては本当に必要な機能に対する試作にお金や時間を集中できません。A社では「社内wikiの使いにくさ」の解決のためにわざわざチャットボットを導入する必要はあったのか? 社内wikiの使い方講習や階層構造の見直しをすることで改善できないのか? について考える必要がありました。

2-3.収益に結びつくアイデアになっていない

DXに限らず、多くの予算や時間を要する施策を決定する場合、投資対効果を考えることが大切です。A社では「チャットボットを使うと仕事がはかどりそうだから」という理由で1000万円を投資してしまいました。現状のQ&Aシステムの維持費や、社内チャットボットを導入することで削減される時間的コストを概算で考えてみればコストに対してリターンが少ないことは明白です。

例えば業務改善の場合、件数×時間で損失時間を算出し、損失時間×人材コストで削減できる人件費の概算が可能です。このように解決策をひとつずつ数字に置き換えて考えると最もリターンが大きい解決策を見つけることができます。

DX推進の3つめの壁 PoCマネジメントができない

 

解決策がデジタル技術によって本当に実現できるのかを試す段階です。PoCではベンダーに依頼するため、これまで社内で話し合ってきたことをしっかり伝える必要があります。この壁をより具体的に説明していきます。

3-1.要件定義が甘い

PoCでの失敗事例に多くあるケースです。ベンダーに依頼する際、「こういう感じのものを作ってほしい」と曖昧なゴールのみ要件定義をして、あとは丸投げしても、ベンダー側はどんな技術をどう使ってどれくらいのレベルのものを開発すればいいか分かりません

技術的な要素を含めて、要件定義が甘い依頼は開発前から失敗がみえています。ベンダー側としても要件定義が具体的な依頼があればやるべきことがはっきりしているため、そちらを優先して開発したいと考えるはずです。検討事項を細分化した要件チェックリストを作るなどして、ひとつずつ定義していきましょう

3-2.成功の基準がなく、本開発の投資が判断できない

まずはベンダーに開発してもらったものの、「どこまでできていたら成功といえるのか」を事前に定義していないため、プロジェクト終了後に「なんとなくできている」というイメージだけが残ります。

結果、本開発の投資が判断できずにPoCに掛けたコストが無駄になってしまいます。要件定義の時点でそのPoCの成功基準を数字で明確にしておけば、適切な評価が可能です。

3-3.ビジネス適用・運用につなげられない

「PoC疲れ」「PoC貧乏」という言葉があるように、実証実験に移ったものの、実際の導入やビジネスに移行しないケースが存在します。原因としては、前述した課題②と同じように「PoCをおこなうこと自体が目的になっている」「他社の事例を参考に導入しようとした結果、細かい部分で環境が違うため自社には合わなかった」などが挙げられます。

まとめ

 

Step1. 職員の意識醸成とリテラシー教育

《目的》

人を巻き込むのが難しいという壁を乗り越えるため

《課題》

・現状業務が忙しく、現場での優先順位が下げられる

・全社ゴトの取り組みになっていない

・前提知識に差があり、議論がかみ合わない

《手段》

・社内全体でDXとは何なのか、DXがなぜ必要なのかを理解してもらう

・現状と「理想のあるべき姿」から経営課題を洗い出す

・デジタル技術にできることや仕組みの概要について学ぶ

Step2. DXプロジェクト企画の質を高める

《目的》

アイデアの質が低いという壁を乗り越えるため

《課題》

・解決すべき課題を発見できていない

・質の高い解決策になっていない

・収益に結びつくアイデアになっていない

《手段》

・解決すべき度合いの高い課題を選ぶ

・解決策についてのアイデアをできるだけ多くだす

・課題を可能な限り定量化して、アイデアを評価する

 

参考記事

株式会社STANDARD
1970.01.01
株式会社STANDARD
https://standard2017.com/2020_07_02_681/
株式会社STANDARDは、独自のデジタル人材コミュニティを武器に、「ヒト起点」のデジタル変革をSTANDARDにする会社です。

 

Step3. プロト開発~PoCのプロジェクト企画設計

《目的》

PoCマネジメントが出来ないという壁を乗り越えるため

《課題》

・どのように要件定義すればいいのか分からない

・成功の基準がなく、本開発の投資が判断できない

・ビジネス適用・運用につなげられない

《手段》

・要件定義を技術的な面を含めてしっかりと行う

・検証すべき要素を明確した上でPoCの実施をする

改めて意識しておいて頂きたいポイントはこの3つの壁をきちんと乗り越える事が出来れば、DX推進が成功する確率を相当上げることが可能になるということです。ぜひこのポイントを押さえて、DX推進を成功に導いてください。
 
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鶴岡 友也

株式会社STANDARD 代表取締役 CTO 共同創業者

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