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DX・AIプロジェクト推進

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【失敗しないDX推進】DXプロジェクト企画の基本|”質”を高めるフレームワークや考え方とは

2020年07月02日

近年、急速に変化する社会の中で、顧客のニーズや課題感にも変化が生まれつつあります。こうした流れに順応するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に力を入れている企業や自治体が増えてきました。今回は、DXプロジェクト企画の”質”を高める考え方を解説していきます。

目次

    •   DXプロジェクトのよくある失敗パターン
    •   質の高いプロジェクト企画とは何か?
    •   DXプロジェクト企画で使えるフレームワーク
    •   1. 課題発見フェーズで考えるべき要素
    •   2. 解決策フェーズで考えるべき要素

DXプロジェクトのよくある失敗パターン

最もよくある間違いは、デジタル技術を利用することが目的化してしまうことです。特に、AIやブロックチェーンなどのデジタル技術起点でプロジェクトを考え始めると、たいていの場合は失敗してしまいます。

AIを利用しなくても解決できる課題も多くあります。AIのようなデジタル技術は手段でしかないので、その利用にこだわりすぎず、課題解決の手段のひとつとして検討することが重要です。

 

よくある失敗の2つ目に、解決すべき課題が出てこないということも頻繁に起こります。アイデア自体は出てくるものの、収益に結びつかないようなアイデアであったり、会社全体から見たときに優先度高く解決すべき課題でなかったりします。

DXプロジェクトを進めていくうえで、「プロジェクト企画フェーズ」はとても重要で、ここの成果の60%ぐらいが決まると言っても過言ではありません。

今回の記事では、プロジェクト企画の”質”を高める考え方のフレームワークを解説していきます。

 

質の高いプロジェクト企画とは何か?

質の高いプロジェクト企画の条件は、1.解決すべき度合いの高い課題を、2.高い質で解決できるプロジェクトのことです。下の図でいうと、右上の○と書いてある場所に相当します。

解決すべき度合い、高い質の解決とは具体的に何を指すのか、順番に見ていきましょう。

 

1.解決すべき度合い

課題を解決した時に、どのくらいの効果やインパクトを与えられるかの度合いと言い換えられます。つまり、解決すれば多くの利益や顧客獲得につながる課題は解決すべき度合いが高いと言えます。主に定量分析によって度合いの高さを見積もることが可能で、「一見効果が高そうでも、実際に分析をおこなうと大したインパクトを生みそうになかった」課題をふるいにかけることができます。定量分析が難しい課題に対しても、できる限り数値に直して考える習慣を持つことが大切です。

2.解決の質

解決策の質が高いというのは、「最低限のリソースで、解決すべき課題を必要十分に解決している」ことです。必要以上に高度な技術を用いるとコスト増大につながり、プロジェクトの質を低下させてしまいます。そのため、どんな技術を用いて課題を解決していくかを考えることが重要です。

※ 参考:安宅 和人『イシューからはじめよ』(英治出版、2022)

 

DXプロジェクト企画で使えるフレームワーク

DXプロジェクト企画のためのフレームワークは大きく分けて課題発見のフェーズと、課題解決のフェーズに分かれてきます。これらのフェーズでそれぞれ使えるフレームワークについて順番に見ていきましょう。

1. 課題発見フェーズで考えるべき要素

課題発見フェーズの目的は「解決すべき度合いの高い課題」を発見することです。

そのためには、1.課題を洗い出し、2.定量分析をおこない、3.目標水準を定めるという3ステップに分けて進めて行きます。

1-1. 課題の洗い出し

課題とは、理想と現状のギャップ(差分)のことです。

課題が見つけられない方によくあるパターンには、①理想が見つけられていない、②理想像が正しくない、③現状の認識がずれている、という3つのものがあります。

まずは、自分達が①〜③の中でどの状況なのかを話し合い、①と②の場合であれば、正しい理想を定義するところから始めましょう。③は上司と部下で現状の認識がずれているという場合が多いので、数値や定量的なものをベースに現状認識を揃えていきましょう。

 

1-2. 課題を定量的に捉える

2ステップ目では定量分析をおこないます。このステップはなるべく具体的する必要があります。その課題を解決したとき、これまでにかかっていたコストや、どれくらいを何年間で落とせるのかを計算することで、どれだけ解決する価値のある課題なのかを見積もることができます。

1-3. 目標水準を定める

3ステップ目で目標水準を定めます。現在のAIやデジタル技術をもってしても100%の精度で業務をおこなってくれるわけではありません。その数値をどの水準まで引き上げれば課題が解決されたと言えるのかを事前に決めておくことで、次の課題解決のフェーズで解決策を考えやすくすることができます。

どこまでの成果を出せばお客様を喜ばせることができるのか、自社の利益につながってくるのかは特に、目標水準を決定する上で重要な評価指標となります。

 

2. 解決策フェーズで考えるべき要素

解決策フェーズでは、

1.解決策の選定

2.コストの試算

の2つのステップでプロジェクトを進めていきます。

2-1. 解決策の選定

最も適した解決策とは「最低限のリソースで、解決すべき課題を必要十分に解決している」ものです。必要以上に高度な技術を用いるとコスト増大につながり、プロジェクトの質を低下させてしまいます。そのため、どんな技術を用いて課題を解決していくかを考えることが重要です。

DXプロジェクトの解決策は、主に1. 人工知能(機械学習)で解決できる課題、2. ITで解決すべき課題、3. テクノロジー外で解決すべき課題の3種類に分類できます。

 

よくある失敗パターンの例として、なんでもAIで解決しよう!というパターンがあります。大切なのは、解決すべき課題に対して、何が必要最低限の解決策なのかを考えることです。

 

ここからは、上記の解決策がどのような課題を解決する際に最適なのかを解説していきます。

人工知能(機械学習)で解決できる課題とは画像認識、音声認識をはじめとした認識問題、数値による統計分析や自然言語処理などの分析問題、経路やマッチングなどの最適化問題などが挙げられます。

次に、ITで解決すべき課題とは、既存の何かしらのシステムを適応させたり、IoTやブロックチェーンといった新技術を利用することで解決できる課題を指しています。

テクノロジー外で解決すべき課題とは上記の1,2以外の課題です。

ここまできて「AIを使っていこう」となった場合は、アルゴリズムの選定と、目的変数、説明変数を決めます。つまり「どのような方法で」「どのような数値を」「どのようなデータを用いて」考えていくかを決めることに等しいです。

さらに、この過程で必要なデータと、データの集め方について同時に考えていけると、スムーズに進めていくことができます。また、その結果どのようなメリットを誰に提供できることになるのかを言語化しておくことも、開発段階に入った後で結局売れないものができてしまうといった事態を防ぐという意味で重要になります。

 

2-2. ROIの試算

最後は、想定できるコストを洗い出し、ROIを算出していきます。1-2で、この課題が解決されたらどのくらいのインパクトが出るのか?を定量的に考えているので、それがROIの”Return”に該当します。それに対して、解決策を構築するためにかかるコストがどのくらいかかるかを想定したものがROIの”Investment”に該当します。どのくらいのROIが出るのかを可能な限り想定していくこと、稟議や社内説明がしやすくなり、プロジェクトが円滑に進んでいくようになります。

 

 

以上が、DXのプロジェクト企画をしていく際に考えるべき基礎的な要素になります。冒頭でもお伝えしましたが、「プロジェクト企画フェーズ」の質で成果の60%ぐらいが決まると言っても過言ではありません。

その中でも、特に「解決すべき課題の見極め」の部分を失敗してしまうと、その後どれだけ努力しても成果は得られません

解決策の方が考えやすいので、人間はそっちに流れて行きやすいですが、ぐっとこらえて「解決すべき課題の見極め」に力を入れていくことがDXを成功に導きます。

 

今回の記事のポイント

  • 企画の失敗パターンの1つめは「デジタル技術を利用することが目的化してしまう」こと
  • 2つめは「解決すべき課題が出てこない」こと
  • 質の高いプロジェクト企画とは「解決すべき度合いの高い課題を、高い質で解決できる」もの
  • 「解決すべき課題の見極め」を失敗すると、その後どれだけ努力しても成果は得られない
  • 課題発見フェーズは、課題を洗い出し→定量分析→目標水準の設定
  • 解決策フェーズは、解決策の選定→コストの試算

 

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鶴岡 友也

株式会社STANDARD 代表取締役 CTO 共同創業者

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