EDX(人材育成)

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AIリテラシーの向上で働き方を変える 株式会社パスコ様

業種
従業員数
1001人~

航空測量会社として創業され、空間情報の可視化・分析・流通を中心とした新たなサービスモデルへの事業シフト、継続契約型ビジネスと業務請負型ビジネスとの両輪による事業展開を推し進められている株式会社パスコ様。「新たな情報空間情報の活用を見据えた将来への投資」の一環として、AI_STANDARDを導入いただきました。 今回は導入を決定いただいた経営戦略本部総合研究所 所長 佐藤俊明様、実際にAIリテラシー講座をご受講いただいた森様、山本様に導入に至った経緯や、感想を伺いました。

業務の自動化で技術人材の不足や働き方の転換を

ー今回STANDARDにご依頼いただいた目的や背景をお聞かせください。

佐藤:

パスコは、航空写真計測から始まり、さまざまな事業に着手してきました。航空写真の撮影から、あらゆる情報を収集し、処理、加工、解析、ソリューション提供等を実施してきました。具体的には、高精度の地図の作成からそれを用いた固定資産や防災といった様々なコンサルティング事業です。

これらを続けていくためには、熟練の手が必要です。しかし、少子高齢化や人口減少が深刻化する中で、技術系の人材不足への対応が課題となっていました。

そんな中で、ディープラーニングに出会いました。画像解析から始まる事業には非常にマッチしていたので、パスコは2013年からディープラーニングを取り入れています。比較的早い段階でディープラーニングを始めた方ではないでしょうか。実際に携わってきたのは、ごく一部の部署でしたが、これまでつけてきた力をもっと社内に広めたいと考えていました。

コンサルティングや計測業務に携わる社員は、その専門分野に特化しているので、さらにAIリテラシーで補強できないかと考えております。

人材育成促進は社内で掲げる目標のひとつだったので、機械学習のリテラシーを強化に踏み込むことになりました。まずは入り口を開くべく、STANDARDのAIリテラシー講座を導入するに至りました。

ー航空写真を用いた事業では、ディープラーニングをどのように活用しようとお考えですか?

佐藤:

例えば固定資産業務というものがあります。建物が変わる、新築になる、用途が変わった場合は課税額が変わりますので、情報収集する必要があります。

それらを航空写真でおこない、人の手で精査しておりました。ここにディープラーニングを導入することで自動化できれば、効率化につながります。

ー自動化によるインパクトはどのくらいを想定されていますか?

佐藤:

時間効率にすると、作業あたり20〜30%の効率化が可能だとみています。すべての業務が一律、ここまで時間短縮できるとは限らないのですが、このくらいを目指してやらないと導入の意味がありません。

また、人材不足や働き方改革の点でも、それに寄与する技術が必要です。特に現場は、忙しすぎて、日々業務に追われる状況が続いています。そういった中で、会社として、勉強時間や新しい技術を入れることで、社員の視点に変化を起こせるのではないかと希望をもっています。「世の中がこのペースで進んでいるならば、自分がやっていることはこのように変えられるのでは」という気付きが出てくるだけでも、成功であると考えています。

今回のAIリテラシーを受講者も、非常に前向きな社員が多かったので、自動化に関する期待を持っています。

「意外とできる」と気づくことが大事

ー現場に関わる森さんは、自動化についてどうお考えですか?

森:

私の所属する建設コンサルタント部門では、点検等を行っていますが、作業量が非常に多いです。

某トンネルの崩落事故以来、土木構造物に対する維持管理・点検の重要性が再認識され、土木構造物の多い日本国内における点検作業量は膨大です。それを紙と鉛筆でやっているのです。業務に忙殺されて、資格がとれない、勉強ができないというのが、パスコが抱えている大きな課題のひとつです。

ディープラーニングを含むAI技術に置き換え、省力化することで、パスコの課題解決の一部が可能になると思い、非常に前向きな気持ちで、AIリテラシー講座を受講いたしました。

ただ、私一人で頑張っても、全体としては良くなっていかないので、ベテランや若い優秀な技術者も含めて、AIリテラシーを上げていかなければ、課題解決への道のりは大きく進まないと思っています。

ー実際にAIリテラシー講座を受けていただいて、いかがでしたか?

森:

勉強になったというのが正直な感想です。内容が初心者にも優しかったので、非常に楽しんで受講できました。復習のためのPDF資料もあるので、内容としても一回の受講で十分得られるものがありました。

これを踏まえて、実践をしてみたいと感じました。初歩の初歩でも構わないので、標準的なAIのコーディングなどに触れられると、さらに技術に対する意識が近づくのはないでしょうか。苦手意識を持っていると進まないので、「意外とできる」と気づくことが大事だと思っています。 

山本:

私も復習できる資料が良いなと思いました。受講期間も繁忙期ではなかったので、ビデオ学習で大きな負担なく、わかりやすく学べました。

人間なので、学んだことを忘れていってしまいます。受けたら受けっぱなしではまずいので、今後も復習は行っていきたいです。

AIリテラシーを身につけ、既存業務への気づきや提案を増やす

ーAIのリテラシー講座の受講を通して何か気づきはありましたか?

森:

AIには何ができるのか、パスコが今まで何をしてきたかをよく考え、今まで人間ができなかったことを、「これがあったらできるんじゃないか」など、アイディアだけでも出していきたいと意識を持てるようになりました。どのように導入できるかは、まだわかっていないので、もう少し勉強が必要な気はしています。

特に技術系の社員に、AIリテラシーをあげていただきたいです。新しい技術に対する心理的なハードルを下げ、提案が受け入れられ、お互いに提案がしやすくなるようには、社内で共通認識を持つことが必要です。 

佐藤:

やる気のある社員が受講を機に、前に進んでいけること、考える機会を持てることが、一番重要です。STANDARDの講座や、パスコで独自に作っている教材も、どんどん推し進めて、森さんのような考え方ができる社員を増やしていくことが、まずは必要だと気づかされました。さらに、それが働き方改革にも繋がっていきます。

業務をただ機械に置き換えるのではなく、これまでの業務を見つめ直し、自動化のメリットやデメリットに気付ける人材に育てていくことが重要です。必ずしもプログラミングができる人を育てることは目的ではなく、気づきを持ち、自分の意志を伝えられる人を育てることが、現段階でのパスコにとっての一番の目的であり、一番の成果になっていくと思います。

だからこそ、今年度で限りでは意味がなく、来年度も続け、今後に繋げていかないと投資を最大化できないのではないでしょうか。STANDARDの講座も、パスコ独自のものも、まだまだブラッシュアップできるので、会社としての意識付けをしていくことが重要なところだと思っています。

AIリテラシーを当たり前のものに 

ーAIの技術者を一定数抱える中で、リテラシーという、裾野を広くするという講座を選択されました。そして連結で約2,500名の従業員中1割以上の方が参加されました。どのような背景があったのか教えていただけますか?

佐藤:

現時点での当社のケースでは、受講を通してAIリテラシーの高い専門家をつくる段階ではないと考えています。やりたいけどやれないと思う社員に、いかにチャンスを生み出せる機会を与えられるかが重要です。

まずはリテラシーという基礎的なところから裾野を広げ、働き方を変え、イノベーションを起こせる人たちの後押しを目指しています。

ー理想では、社内の何%くらいまでに、AIリテラシーを浸透させたいとお考えですか?

佐藤:

個人の見解になりますが、技術者の20〜30%はある程度のレベルには達してほしいです。一足飛びにはいかないので、5%でもブレークスルーできる人たちを拾いあげて、彼らをどう動きやすくしていくかが重要です。

誰もがプロ野球の選手、サッカー選手になれるわけではありません。しかし、ルールや知識を理解することは、多くの人ができると思うのです。そのルールの理解度をできるだけ大勢に浸透させることで、課題解決に向けて大きく進むと考えています。