カーバッテリー交換の手順|外すのはマイナス、付けるのはプラスが先

car-battery-20260918 カーバッテリー
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朝、セルの回りが重くなってきた。店に頼むと工賃がかかるので、自分で替えたい。でも端子をどっちから外すのか、設定が消えないかが気になって迷っていませんか。カーバッテリー交換の手順は、外すのはマイナスから、付けるのはプラスから、この順番さえ守れば危なくありません。読み終えたら、10mmのレンチを持って、その日のうちに交換できます。

用意する物は10mmのレンチとメモリーバックアップ

メモリーバックアップ

道具は多く要りません。必ず要るのは10mmのスパナかメガネレンチ、ゴム手袋、保護めがねの3つで、あると助かるのがメモリーバックアップです。端子のナットは多くの車で10mmですが、車種で違うことがあるので、作業の前にボンネットを開けて確かめてください。

メモリーバックアップは、交換中に時計、ラジオ、ナビの設定、パワーウィンドウのオート機能、車のコンピューターの学習値を残すための道具です。単3電池を8本入れて端子にはさむタイプと、OBD端子やシガーソケットにつなぐタイプがあります。無くても交換はできますが、設定を全部入れ直す手間がかかります。

ほかにあると助かるのが、端子の白い粉を落とすワイヤーブラシかサンドペーパー、外した端子を包む布、さび止めのグリスです。ナットが固着している車は、浸透潤滑剤があると回ります。バッテリーは10〜18kgあるので、腰に不安がある人は持ち上げを手伝ってくれる人を1人頼んでおくと楽です。

レンチは、握りに絶縁の覆いが付いたショート防止タイプだと、レンチの反対側がボディに当たっても電気が流れにくくなります。普通のスパナでも作業はできますが、初めての人はここで迷わずに済みます。

型式は今のバッテリーの上面を読んで同じ物を選ぶ

新しいバッテリーは、今付いている物の上面か側面に書かれた型式を読んで選びます。「55B24L」なら、B24Lの部分が同じ物ならそのまま載り、頭の数字は同じか大きい物を選んでよいです。この読み方さえ知っていれば、通販でもカー用品店でも迷いません。

記号 意味 選ぶときの決まり
55 性能ランク。大きいほど高性能 同じか、上の数字を選ぶ。下げない
B 幅と高さの記号。AからHまである 必ず同じにする
24 長さ。およそ24cm 必ず同じにする
L プラス端子の位置。LかR 必ず同じにする。違うとケーブルが届かない

アイドリングストップ車は「M-42R」「N-55」「Q-85」「T-110」のような専用の型式です。普通のバッテリーを載せると寿命が極端に短くなり、警告灯が点くことがあるので、同じ専用型式を選んでください。輸入車や一部の国産車は「355LN1」のようなEN規格で、こちらも同じ表記の物にします。

端子の向きのLとRは、いちばん間違えやすいところです。買う前に、今のバッテリーの型式をスマホで撮っておくと、店でも通販でも照らし合わせられます。ジーエス・ユアサの公式サイトには、端子位置が違う物を付けると電子部品の破損や火災の原因になると書かれています。

外す手順はマイナス、プラス、ステーの順

ショート防止レンチ

取り外しで守ることは1つだけ。先にマイナス端子を外し、次にプラス端子、最後にステーを外す順番です。ボディはマイナスにつながっているので、マイナスを先に外しておけば、作業中にレンチがボディに触れてもショートしません。

走行直後なら、30分以上置いてから始めてください。走ったあとのバッテリーの中にはガスがたまっていて、火花が引火すると爆発することがあります。金属の腕時計と指輪も外しておきます。

  1. エンジンを止め、ライトと電装品を全部切り、キーを抜く。車種によってはコンピューターが動いているので、5〜6分待ってから触る
  2. メモリーバックアップをつなぐ。端子にはさむタイプは赤をプラス、黒をマイナスにはさみ、ランプが点くのを確かめる
  3. マイナス端子のナットを10mmのレンチで緩め、端子を上に抜く。抜いた端子は布で包み、バッテリーに触れない所へよける
  4. プラス端子のカバーを開け、同じようにナットを緩めて抜く。レンチは短く持ち、反対側がボディに当たらないようにする
  5. ステー(押さえ金具)のナットを緩めて外す。金具の向きをスマホで撮っておくと、戻すときに迷わない
  6. バッテリーを両手で持ち、垂直に持ち上げる。傾けると中の希硫酸がこぼれるので、腰を落として真上に上げる
プラス端子を先に外すと、レンチの端がボディに触れた瞬間に大きな電流が流れ、火花が出ます。バッテリーの爆発や車のコンピューターの故障につながるので、順番だけは変えないでください。

ナットが固くて回らないときは、力任せに回さず、浸透潤滑剤を吹いて数分待ちます。端子に白い粉が付いていたら、硫酸鉛の結晶です。ワイヤーブラシでこすって落とし、粉が手に付いたら水で洗ってください。

付ける手順はプラスが先、マイナスが最後

取り付けは外すときの逆です。プラス端子を先に付け、マイナス端子を最後に付けると、作業中にレンチがボディに触れても電気は流れません。DCMのコラムでは「−、+、+、−」と覚えるように書かれていて、この順番だけ覚えておけば足ります。

  1. トレーのごみ、砂、白い粉を布とブラシで取る。小石が残っていると、バッテリーの底が割れたり固定が甘くなったりする
  2. 新しいバッテリーの端子の向きを合わせ、垂直に下ろして載せる。向きが逆だとケーブルが届かず、無理に付けるとショートする
  3. ステーを元の向きで付け、ナットを締める。手でバッテリーを揺すって動かなければ十分
  4. プラス端子を奥まで差し込み、ナットを締める。カバーを元に戻す
  5. マイナス端子を差し込み、ナットを締める。付けた瞬間に小さい火花が出ることがあるが、通常の反応
  6. 端子にさび止めのグリスを薄く塗る。端子カバーがある車は元通りに付ける
  7. エンジンルームにレンチを置き忘れていないか見てから、エンジンをかける
  8. エンジンがかかったら、メモリーバックアップを外す。外すときはマイナス側のクリップから

ナットの締め具合は、ケーブルの端子を左右に動かしても動かない程度です。力任せに締めると、鉛の端子が変形して割れます。トルクレンチがある人は、車の整備書に書かれた値で締めてください。

ここに書いた外す順、付ける順、締め具合、走行直後に30分置くことは、パナソニックとジーエス・ユアサの公式サイトの交換方法(2026年9月時点)に沿っています。車種によってはボディアースがプラスの車もあると書かれているので、初めての車は取扱説明書で確かめてください。

交換後はエンジン、時計、窓、アイドリングストップを確かめる

バッテリーテスター

載せ替えて終わりではありません。エンジンが一発でかかるか、時計とラジオの設定、パワーウィンドウのオート機能、アイドリングストップが働くかの4つを確かめます。メモリーバックアップを使っても、車種によっては一部の設定が消えることがあります。

パワーウィンドウのオート機能が消えたときは、窓を全開まで下げてスイッチを数秒押し続け、次に全閉まで上げて数秒押し続けると戻る車が多いです。やり方は車種で違うので、戻らなければ取扱説明書のパワーウィンドウの項を見てください。サンルーフやスライドドアも同じように初期設定が要る車があります。

アイドリングストップ車は、交換直後はアイドリングストップが働かないことがあります。車のコンピューターがバッテリーの劣化を監視していて、新しい物に替えたと気づくまで時間がかかるためです。しばらく走っても働かないときは、専用の機器でリセットが必要な車種なので、販売店で点検を受けてください。

テスターがある人は、エンジンをかける前に端子の間の電圧を測っておくと、新しいバッテリーがきちんと充電されて届いたかが分かります。長く店に置かれていた物は電圧が下がっていることがあり、その場合は購入店に相談します。1週間は朝一番のセルの回りを気にして、前と同じなら交換は成功です。

店に頼んだほうがいい車と、古いバッテリーの処分先

自分で替えられるのは、ボンネットを開けてバッテリーが見える普通車と軽自動車です。ハイブリッド車の駆動用バッテリー、輸入車、バッテリーが座席の下や荷室にある車は店に頼むのが安全です。無理に自分でやるより、工賃を払ったほうが結果として安く済みます。

ハイブリッド車の駆動用バッテリーは高い電圧で、資格が無いと触れません。補機バッテリーは12Vで自分でも替えられる車種がありますが、室内や荷室にあってガスを外に逃がすホースの付け直しが要ります。輸入車は交換後に車に新しいバッテリーを覚えさせる登録作業が必要な車種が多く、専用の機器が無いと充電の制御が合わず寿命が縮みます。

店に頼むときの費用は、カーコンビニ倶楽部のコラム(2026年9月時点)では工賃が1,000〜3,000円、廃棄料が無料〜3,000円が相場とされています。バッテリー本体は別で、アイドリングストップ車やハイブリッド車用は高くなります。持ち込みを受けてくれる整備工場なら、本体を通販で買って工賃だけ払う形もとれます。

古いバッテリーは、鉛と希硫酸が入っているので家庭のごみには出せません。買った店のカー用品店やガソリンスタンドに持ち込むか、通販で買った場合は引き取りサービスを購入時に申し込みます。持ち運ぶときは端子にテープを貼ってショートを防ぎ、倒れないように箱に立てて入れてください。

当日はこの順で進めれば30分で終わる

読み終えたら、あとはやるだけです。型式を撮る、30分置く、マイナスから外す、プラスから付ける、4つを確かめる、この流れで進めれば、初めてでも30〜40分で終わります。慣れれば15分ほどです。

  1. 今のバッテリーの型式をスマホで撮り、同じ型式か性能ランクが上の物を買う
  2. 10mmのレンチ、ゴム手袋、保護めがね、メモリーバックアップをそろえる
  3. 走行直後なら30分置く。腕時計と指輪を外す
  4. キーを抜き、バックアップをつなぎ、マイナス、プラス、ステーの順に外す
  5. トレーを掃除し、新しい物を載せ、ステー、プラス、マイナスの順に付ける
  6. エンジンをかけ、時計、窓、アイドリングストップを確かめる
  7. 古いバッテリーは端子にテープを貼り、購入店に持ち込む

順番に自信が無くなったら、DCMのコラムの「−、+、+、−」を思い出してください。外すのはマイナスから、付けるのはプラスから、これだけ守れば火花もショートも出ません。設定が消えるのが心配な人は、メモリーバックアップを先に買ってから当日を迎えると落ち着いて進められます。

ハイブリッド車や輸入車、バッテリーが見えない場所にある車は、今回は店に頼む判断で構いません。普通車と軽自動車なら、ここに書いた順番でその日のうちに終わります。替えたあとは1週間、朝のセルの回りを気にしておいてください。

この記事のアドバイザー
電山タケル
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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