コンクリートの刷毛引きとは|滑り止めの筋を付ける仕上げ

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外構の見積もりを見ていたら、駐車場の欄に「土間コンクリート 刷毛引き仕上げ」と書いてあった。

聞き慣れない言葉なので、ほかの仕上げと何が違うのか、選んで大丈夫なのか気になりますよね。

コンクリートの刷毛引きとは何か、向いている場所と向いていない場所、頼む前に決めておきたいことを順番に紹介します。

刷毛引きとはコンクリートが固まる前に刷毛で細い筋を付ける仕上げ

刷毛引きハケ 土間刷毛 混毛 900mm

刷毛引きとは、流したコンクリートが固まりきる前に、表面を刷毛でなでて細い筋を付ける仕上げのことです。

読み方は「はけびき」で、刷毛引き仕上げとも呼ばれます。

わざと表面に細かな凹凸を作って、雨の日でも滑りにくくするのが目的です。

下地の作り方は、ほかの仕上げと変わりません。

砕石を敷いてワイヤーメッシュを入れ、コンクリートを流して平らにならすところまでは同じです。

違うのは最後の表面の仕上げ方だけで、コテで平らに押さえたあとに刷毛で筋を付けます。

住宅の駐車場やアプローチでは、とてもよく使われている仕上げです。

外構業者によっては、特に指定しなければ刷毛引きで仕上げるところもあります。

雨の日の駐車場やスロープは刷毛引きにすると滑りにくい

刷毛引きが向いているのは、雨や雪でぬれやすく、人や車が毎日通る場所です。

表面の筋が靴やタイヤに引っかかるので、ぬれても足元がすべりにくくなります。

とくに効果が出やすいのは次のような場所です。

  • 傾きのある駐車場やスロープ
  • 玄関までのアプローチ
  • 駐輪場や犬走り
  • 雪が降る地域の屋外の床

表面がつるつるの金ゴテ仕上げは、雨の日に滑りやすくなります。

傾きのある駐車場を金ゴテで仕上げると、あとから滑り止めのシートを貼ることになる場合もあります。

家族に小さな子どもやお年寄りがいる家なら、通り道は刷毛引きにしておくと安心です。

見た目の面でも、よいところがあります。

表面の細かな凹凸で光が散るので、タイヤの跡や細かな汚れが目立ちにくいという声が多いです。

筋に砂や落ち葉がたまりやすく掃除は少し手間がかかる

刷毛引きのいちばんの弱点は、筋のすき間に砂やほこりが入り込み、ほうきだけでは取りきれないことです。

金ゴテ仕上げならさっと掃けば落ちる砂も、刷毛引きだと溝に残りがちです。

落ち葉が多い家や、土の庭に面した駐車場では、汚れがたまるのが早く感じるかもしれません。

掃除は、次の順番でやるとラクです。

  1. ほうきで大きなごみと落ち葉を取る
  2. デッキブラシを筋の向きに沿って動かし、溝の砂をかき出す
  3. 水を流して残った砂を排水口のほうへ流す

それでも黒ずみが取れないときは、高圧洗浄機を使う家が多いです。

刷毛引きの駐車場なら、高圧洗浄機で半年に1回ほど洗えば十分きれいになるという声もあります。

高圧洗浄機のノズルをコンクリートに近づけすぎると、表面が削れて筋が荒れることがあります。最初は離れたところから当てて、汚れの落ち方を見ながら距離を決めましょう。

金ゴテと洗い出しとの違いは滑りにくさと掃除のしやすさ

土間コンクリートの仕上げには、刷毛引きのほかに金ゴテと洗い出しがよく使われます。

滑りにくさを取るなら刷毛引き、掃除のしやすさを取るなら金ゴテ、見た目を重視するなら洗い出しと考えると選びやすいです。

仕上げ 表面 滑りにくさ 掃除のしやすさ
刷毛引き 細い筋が並んだザラザラの面 滑りにくい 溝に砂が残りやすい
金ゴテ つるっとした平らな面 ぬれると滑りやすい ほうきで掃くだけで落ちる
洗い出し 砂利の粒が表面に出た面 滑りにくい 粒の間に汚れがたまりやすい

金ゴテは、雨上がりにつやが出てきれいに見えます。

ただしぬれると滑りやすいので、毎日歩く通路より、屋根の下の駐車場やウッドデッキの下などに向いています。

洗い出しは、表面のセメントを洗い流して砂利を見せる仕上げです。

見た目がよく滑りにくい反面、ほかの2つより仕上げに手間がかかります。

玄関前の目立つところだけ洗い出しにして、駐車場は刷毛引きにする、という分け方もよくあります。

刷毛目の粗さと向きは工事の前に業者と決めておく

赤長 左官ブラシ 赤混毛 1/2丁 3行 柄付

刷毛引きは、粗さと向きを先に決めておかないと、あとから直せません。

コンクリートが固まったあとに筋を付け直すことはできないので、打ち合わせの段階で伝えておきましょう。

傾きのある場所は粗め平らな場所は細かめ

刷毛目は、使う刷毛の種類と引くタイミングで粗さが変わります。

粗くするほど滑りにくくなりますが、そのぶん砂もたまりやすくなります。

粗すぎると、子どもが転んだときにひざをすりむきやすいという声もあります。

目安としては、傾きのある駐車場やスロープは粗め、平らな駐車場やアプローチは細かめがよく選ばれています。

業者によっては、刷毛目の見本の写真を持っているので、見せてもらうとイメージがつかみやすいです。

筋の向きは途中で変えない

刷毛目の向きは、歩く方向や車が進む方向に対して横に入れることが多いです。

足やタイヤが筋をまたぐ形になるので、滑り止めとして働きやすくなります。

気をつけたいのは、1つの面の中で向きを変えないことです。

途中で向きが変わると、つなぎ目の部分だけ模様がずれて目立ちます。

広い駐車場を何回かに分けて打つときは、つなぎ目をどこにするかも一緒に相談しておきましょう。

日なたと日かげでは、コンクリートの乾き方が違います。同じ刷毛でも、日なた側は筋が薄く、日かげ側は筋が深くなりやすいので、腕のある職人さんほど乾き具合を見ながら引くタイミングを変えています。

DIYで刷毛を引くなら表面の水が引いたころが目安

赤長 左官ブラシ 赤混毛 2丁 6行 柄無

物置の土台や小さな犬走りなど、狭い場所なら自分で刷毛引きに挑戦する人もいます。

DIYでいちばん大事なのは、コテで押さえたあと、表面に浮いた水が引いたころに刷毛を引くことです。

タイミングがずれると、次のような仕上がりになります。

  • 早すぎると、筋がつぶれてコンクリートが刷毛にくっついてくる
  • 遅すぎると、筋が浅くなったり表面がけば立ったりする

流れは次のとおりです。

  1. コンクリートを流して、トンボや定規で平らにならす
  2. コテで表面を押さえて、でこぼこをなくす
  3. 表面の水が引くまで待つ
  4. 刷毛を端から端まで同じ向きで、止めずに引く
  5. 1本引くごとに刷毛の先についたコンクリートを落とす

刷毛が汚れたまま引くと、筋が乱れやすくなります。

水を入れたバケツを横に置いて、こまめに刷毛を洗いながら進めましょう。

風の強い日や直射日光が当たる日は、表面だけが早く乾いてムラになりやすいです。

初めてなら、くもりで風の弱い日を選ぶと失敗が少なくなります。

駐車場のように広い面は、乾き方の差が大きく、DIYで刷毛目をそろえるのはかなり難しいです。車が乗る場所は、下地の厚みや鉄筋も含めて外構業者に頼むほうが確実です。

見積もりに刷毛引きとあったら場所ごとに仕上げを分けて相談する

刷毛引きは、滑りにくさを優先したい場所に向いている、ごく一般的な仕上げです。

見積もりに刷毛引きと書いてあったら、そのまま任せる前に、場所ごとにこの仕上げでいいかを1か所ずつ確かめましょう。

打ち合わせでは、次の3つを聞いておくと安心です。

駐車場とアプローチのどこを刷毛引きにするか
刷毛目の粗さはどのくらいにするか(見本があれば見せてもらう)
筋の向きと、コンクリートのつなぎ目をどこにするか

雨の日に家族が歩く場所は刷毛引き、屋根の下で掃除をラクにしたい場所は金ゴテ、というように分けると、それぞれの弱点を小さくできます。

まずは図面を広げて、雨の日にぬれる場所と、落ち葉や砂が集まりやすい場所に印を付けるところから始めてみてください。

この記事のアドバイザー
電山タケル
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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