バックカメラを自分で付けたいけれど、配線を車の前まで通す作業で手が止まっている。多くの人がつまずくのは、カメラの固定ではなく、その配線と電源の取り方です。実は、作業の順番を変えるだけで難しさは半分になります。この記事を読み終えると、自分の車が簡単に付けられる車かどうかが分かり、仮止めから本固定までを迷わず進められます。
バックカメラの取り付けが簡単な車は3つの条件で分かる
同じバックカメラでも、車によって作業の重さがまったく違います。ナンバープレートの上に指2本分の隙間があり、バックドアが上に開き、ナビの裏に映像入力の端子が空いている車なら、内装を外す量が少なくて済みます。
反対に、ナンバーがバンパーの下側に付いているセダンや、トランクが独立している車は、配線を室内へ引き込む場所を探すところから始まります。ここで半日かかる人もいます。
| 車の形 | 作業の重さ | 理由 |
|---|---|---|
| 軽自動車やコンパクトカー | 軽い | ナンバー上に隙間があり配線の引き込み口が近い |
| ミニバンやSUV | 中くらい | バックドアの内張りを外す手間がある |
| セダン | 重い | トランクから室内への通り道が見つけにくい |
自分の車がどれに近いかで、作業に使う時間を先に見積もってください。軽い車なら1時間ほど、重い車なら1日空けておくと途中で焦らずに済みます。
取り付け前に確かめるのは位置と電源とナビの端子
作業を始める前に決めておくことが3つあります。カメラをどこに付けるか、電源をどこから取るか、ナビのどの端子につなぐか、この3つを決めずに始めると、途中で部品を買い足しに行くことになります。
位置は、ナンバープレートの上か、ナンバーの固定ボルトの穴を使う付け方が一番簡単です。車体に穴を開けずに済み、リアバンパーが画面の下に映るので、車幅の感覚もつかめます。
電源は、後退灯の配線から取るのが基本です。シフトをRに入れたときだけ電気が流れるので、カメラも同時に起動します。後退灯の配線の色は車種ごとに違うので、車の配線図か整備書で先に調べておいてください。
ナビの端子は、RCAという黄色の丸い端子で受けるものと、メーカー専用の形のものがあります。ナビの裏に空いている端子の形を確かめて、合わなければ変換ケーブルを用意します。ここを確かめずにカメラだけ買う人が多いです。
穴を開けない取り付けは仮止めと動作確認から始める
いきなり本固定すると、映像が逆さまだったり映らなかったりしたときに、全部やり直しになります。先にカメラを両面テープで仮止めし、配線を床に転がしたままナビにつないで、映ることを確かめてから固定と配線隠しに進んでください。この順番にするだけで、やり直しがほぼ無くなります。
ステップ1 カメラをナンバー上に仮止めする
ナンバープレートの上のスペースに、付属の両面テープか仮のテープでカメラを留めます。ボルト穴を使うタイプなら、ナンバーの固定ボルトを1本外して配線を通し、樹脂のワッシャーを挟んで軽く締めます。締めすぎるとカメラの根元がちぎれるので、手で回して止まるところまでで十分です。
ステップ2 配線をバックドアの中へ引き込む
ナンバー灯の脇にあるゴムのブッシュか、バックドアと車体をつなぐゴムのじゃばらを通します。内張りは内張りはがしで手前に引くと外れます。ドライバーでこじるとツメが折れるので、専用の樹脂製の道具を使ってください。
ステップ3 後退灯から電源とアースを取る
後退灯のプラス側の配線に、エレクトロタップかギボシでカメラの赤い線をつなぎます。黒い線は、車体の金属部分に共締めされているネジにつなぎます。塗装の上に留めると電気が流れないので、ネジの座面が金属むき出しのところを選びます。
ステップ4 配線を床に転がしたままナビにつなぐ
映像の線を、後席の足元から助手席を通して、ナビの裏まで仮に通します。この時点ではまだ隠しません。エンジンをかけてシフトをRに入れ、画面に映るかを確かめます。
ステップ5 映ったら本固定して配線を隠す
映像の向きと明るさが問題なければ、カメラを本固定します。配線は、ステップの下、ドアの内張りの裏、グローブボックスの裏の順に押し込んで隠し、結束バンドで数か所留めます。強く引っ張ると途中で断線するので、たるみを残したまま留めます。
ステップ6 ガイド線と角度を合わせる
駐車枠の白線に車を真っすぐ止め、画面のガイド線が枠と合うようにカメラの角度を上下させます。ガイド線は目安なので、最後は実際にバックして、後ろの壁との距離感を体で覚えてください。
ワイヤレス型なら車内の長い配線通しを省ける
配線を前まで通す作業だけが不安なら、映像を無線で飛ばすタイプを選ぶ手があります。ワイヤレス型はカメラ側の送信機とナビ側の受信機で映像を飛ばすので、後ろから前まで映像の線を通す作業が丸ごと無くなります。
ただし、電源の配線は残ります。カメラと送信機は後退灯から電気を取るので、ステップ3の作業は同じです。受信機の側も、ナビの裏で電源を取る必要があります。
無線の映像は、有線より少し遅れて画面に出ることがあります。ゆっくり下がる分には困りませんが、切り返しを素早くする人には向いていません。バックドアの内張りを外すのが嫌で、ゆっくり駐車する人向けの選び方です。
映らない原因の多くは向きとアースと端子のどれか
仮止めの段階で映らないときは、次の3か所を順に見ます。カメラの上下が逆になっていないか、アースが塗装の上に留まっていないか、ナビの端子が映像入力になっているか、この3つでほとんど解決します。
画面が逆さまに映るのは、カメラの向きを反対に付けているか、ナビ側の設定で鏡像になっているかのどちらかです。カメラを180度回すか、ナビの設定で正像と鏡像を切り替えてみてください。
まったく映らないときは、まずアースです。黒い線を留めたネジをゆるめて、金属が出ているところに付け直します。それでも映らなければ、エレクトロタップの刃が銅線まで届いているかを確かめます。被覆の上で止まっていることがよくあります。
ナビ側は、映像入力の端子ではなく映像出力の端子に差しているケースがあります。黄色の端子が2つ並んでいるナビは、入力と出力を間違えやすいので、端子の横の表示を読んでください。
ナンバーの文字を隠す位置は車検に通らない
取り付け位置で気をつけるのは、法律の面です。ナンバープレートの文字や封印にカメラがかかると、ナンバーの表示違反になります。カメラの下端がナンバーの上端より上にあるかを、付ける前に確かめてください。
車体の外側にとがった形で飛び出す付け方も、外装の基準に引っかかることがあります。カメラの角が丸いものを選び、車体の面からできるだけ出ないように付けます。基準の細かい数字は検査する人の判断で変わることがあるので、不安なら車検を受ける工場に写真を見せて聞くのが早いです。
もう1つ、後付けのカメラは洗車機のブラシに当たることがあります。ナンバー上の奥まった位置なら当たりにくいですが、バンパーから出っ張る付け方をしたときは、洗車機の注意書きを確かめてから入れてください。
自信が無い作業だけ業者に任せると費用も手間も減る
全部を自分でやるか、全部を業者に頼むか、で考える必要はありません。カメラの仮止めと動作確認までを自分でやり、内装を外して配線を隠す作業だけを整備工場に頼む、という分け方ができます。
整備工場やカー用品店は、持ち込みのカメラでも取り付けを受けてくれるところが多いです。仮止めまで済んでいれば、業者の作業時間も短くなります。頼む前に、持ち込み部品の取り付けを受けているかを電話で聞いてください。
自分でやる範囲を決めるときの目安は、内張りを外す作業に抵抗があるかどうかです。抵抗がなければ全部自分で、抵抗があれば仮止めまでを自分で、と分けると、失敗の少ないところで止められます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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