引っ越しの準備でテープを買いに行くと、ガムテープの隣に養生テープが並んでいます。
どちらも手で切れる幅50mmのテープなので、何が違うのか分かりにくいですよね。
違いはひとことで言うと粘着力で、養生テープは「はがすこと」を前提に作られたテープです。
ガムテープとの使い分け、貼ってはいけない場所、糊を残さないはがし方まで順番に紹介します。
養生テープとは? 貼ってきれいにはがせる保護用のテープ
養生テープとは、床や壁、家具を傷や汚れから守るために使う、弱い粘着力のテープです。
「養生」は建築の言葉で、作業中に周りを布やシートで覆って守ることを指します。
養生テープは、もともとこの養生シートを床や壁に留めるためのテープでした。
作業が終わったらはがす前提なので、ガムテープよりも粘着力を弱くしてあります。
基材にはポリエチレンのクロスやフィルムが多く使われていて、手でまっすぐ切れます。
色は緑、白の半透明、ピンク、青などがあります。
メーカーの日東電工は、目立つ色にしているのは、はがし忘れを防ぐためだと説明しています。
養生テープの家での使い道
工事現場だけでなく、家の中でも使う場面は多いです。
- 引っ越しで家具の引き出しや扉が開かないように留める
- ペンキを塗るときに窓枠や床を覆う
- 延長コードを床に仮に留める
- テープに油性ペンで書いて、箱や家具の目印にする
- 台風の前に窓ガラスに貼る
どれも「あとではがす」使い方です。
ずっと貼っておく場所や、強く留めたい場所には向きません。
養生テープとガムテープの違いは粘着力とはがしやすさ
ガムテープは強く貼りつけて留めるためのテープ、養生テープはあとできれいにはがすためのテープです。
ガムテープは粘着力が強いので、はがすと表面を傷めたり、糊が残ったりしやすくなります。
反対に養生テープは、しっかり留めたい物にはすぐはがれてしまいます。
ガムテープは布テープとクラフトテープの呼び名
ふだん「ガムテープ」と呼んでいるのは、たいてい布テープかクラフトテープです。
包装資材の販売サイトでは、ガムテープは本来、水でぬらすと貼りつく紙のテープを指す言葉だと説明されています。
今はそれとは別に、布や紙に粘着剤をぬったテープもまとめてガムテープと呼ばれています。
- 布テープ … 布が基材で、手で切れて重ね貼りもできる
- クラフトテープ … 紙が基材で、布テープより軽くて値段も安い
- OPPテープ … 透明なフィルムのテープで、カッターで切って使う
| 比べること | 養生テープ | ガムテープ(布テープ) |
|---|---|---|
| 粘着力 | 弱い | 強い |
| はがしたあと | 糊が残りにくい | 糊が残りやすい |
| 手で切れるか | 切れる | 切れる |
| 向いている使い方 | 仮止め 保護 目印 | ダンボールの封 固定 |
マスキングテープとの違い
マスキングテープは紙でできたテープで、塗装で色を塗り分けるときに使います。
養生テープより幅の細いものが多く、水にぬれると弱くなります。
窓枠の細い線に沿って貼るならマスキングテープ、床や広い面にシートを留めるなら養生テープと覚えておくと迷いません。
ダンボールの封は養生テープではなくガムテープ
引っ越しや宅配便のダンボールの封には、養生テープではなくガムテープを使ってください。
日東電工も、ダンボールの梱包には養生テープは向かないと案内しています。
粘着力が弱いので、重い物を入れた箱を持ち上げたときや、運ぶ途中で箱がこすれたときに、ふたがはがれて開くおそれがあります。
養生テープで留めてよい箱と留めない箱
それでも、家の中で使い分ければ養生テープが役に立つ箱もあります。
- ガムテープで留める … 引っ越し業者に運んでもらう箱、宅配便で送る箱、本や食器のような重い物の箱
- 養生テープで留めてよい … 家の中で移動させるだけの軽い箱、中身を何度も出し入れする箱
養生テープを貼ってはいけない場所はどこ?
養生テープでも、塩ビ、大理石、木材、塗装した面は、糊が残ったり表面がはがれたりすることがあります。
「養生テープなら何に貼っても大丈夫」と思われがちですが、ここは多くの人がつまずくところです。
家の中だと、次のような場所に注意してください。
- 白木やオイル仕上げの家具の天板
- 大理石や人工大理石のカウンター
- ビニールクロスの壁紙
- 塗り直してから日が浅い壁や扉
どうしても貼りたいときは、家具の裏や壁の隅のような目立たない場所に小さく貼って、はがしてみてから広く使いましょう。
糊を残さないはがし方は「貼る期間を短く」と「ゆっくり」
糊を残さないいちばんの方法は、使い終わったらすぐはがすことです。
メーカーも、長い間貼ったままにすると糊が残りやすくなると説明しています。
引っ越しで家具に貼った養生テープは、荷物を運び終えたその日のうちにはがしておくと後がラクです。
はがすときの順番
- テープの端を爪で少し起こして、指でつまめる長さにする
- テープを貼った面に沿うように、うしろへ折り返す
- 一気に引かずに、ゆっくり同じ速さではがす
- 途中でテープが切れたら、切れたところの端をもう一度起こしてはがす
面に対して真上に引っぱると、壁紙や塗装の表面ごとはがれやすくなります。
低い角度で折り返してはがすのがコツです。
家にあるテープは芯の表示と表面で見分ける
いちばん確実なのは、芯やパッケージに「養生用」「はがせる」と書かれているかを見ることです。
家の引き出しに入っていたテープが、養生テープなのか布テープなのか分からないこともありますよね。
表示が残っていないときは、次の3つを見てください。
- 色 … 緑、白の半透明、ピンク、青なら養生テープのことが多い
- 表面 … 養生テープはつるっとしたフィルムで、布テープは布の目が見える
- 貼った感じ … 指で押さえてすぐはがしてみて、軽くはがれるなら養生テープ
それでも分からないときは、傷めたくない家具や壁には貼らず、ダンボールの目印のような用途に回しましょう。
保護と仮止めは養生テープ 封と固定はガムテープ
あとではがす場所には養生テープ、はがれたら困る場所にはガムテープ、と分けておけば迷いません。
引っ越しなら、家具の扉や引き出しを留めるのが養生テープ、ダンボールの封がガムテープです。
ペンキ塗りなら、床や窓を覆うシートを留めるのが養生テープで、細い線に沿って貼るのはマスキングテープです。
どちらを買うか迷ったら、まず50mm幅の養生テープとガムテープを1巻ずつ用意しておくと、家の中の作業はほとんど足ります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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