マキタの売り場に行くと、インパクトドライバーとドリルドライバーが同じような形で並んでいて、どっちを買えばいいか迷いますよね。
見た目はそっくりでも、ネジを回す仕組みがちがうので、向いている作業もはっきり分かれます。
マキタのインパクトドライバーとドリルドライバーの違いを、作業ごとにどっちを使えばいいかまで紹介します。
■マキタの2台の違いは「打撃」と「クラッチ」
いちばん大きな違いは、インパクトドライバーは回転に打撃を足して締め、ドリルドライバーはクラッチで決めた力になると止まることです。
マキタのカタログでは、インパクトドライバーは「インパクトドライバ」、ドリルドライバーは「ドライバドリル」という名前で載っています。
型番の頭も違い、インパクトドライバーは「TD」、ドライバドリルは「DF」から始まります。
インパクトドライバーは回転に打撃を足して強く締める
インパクトドライバーは、ネジが固くなると回る向きにトントンと打撃を加えます。
この打撃のおかげで、長いビスでも硬い木でも、手首をひねられずに最後まで締められます。
力の強さは、スイッチを引く深さで調整します。
軽く引けばゆっくり回り、深く引くほど速く強くなります。
ドリルドライバーはクラッチで決めた力で止まる
ドリルドライバーには打撃がなく、モーターの回転だけでネジを回します。
先端の近くにあるダイヤルがクラッチで、数字を小さくすると弱い力で回転が止まります。
決めた力以上では回らないので、ネジの締めすぎや、ネジ頭の溝をつぶす「ネジなめ」を防げます。
ダイヤルをドリルのマークに合わせるとクラッチが外れ、穴あけ用のドリルとして使えます。
| 項目 | インパクトドライバー | ドリルドライバー |
|---|---|---|
| 回し方 | 回転と打撃 | 回転だけ |
| 力の調整 | スイッチを引く深さ | クラッチのダイヤル |
| 付けられる先端 | 六角軸のビットだけ | 六角軸と丸軸のドリル |
| 音 | 打撃のときに大きい | モーター音だけで静か |
| 得意な作業 | 長いビス、硬い木、ネジをゆるめる | 家具の組み立て、小さいネジ、穴あけ |
■インパクトドライバーは長いビスを打つ作業向き
65mmや75mmのような長いコーススレッドを何十本も打つなら、インパクトドライバーが向いています。
ウッドデッキ、棚の骨組み、2×4材を使った家具づくりなどがこの作業です。
ドリルドライバーでも締められますが、ネジが重くなると手首に反動がきて、腕が疲れます。
インパクトドライバーは打撃で回すので、反動が手に伝わりにくいです。
力に自信がない人ほど、インパクトドライバーのほうが扱いやすいという声が多いです。
さびて固くなったネジをゆるめる作業も、打撃があるインパクトドライバーが得意です。
家具の組み立てなら締め付けトルクは90N・mくらいで十分
インパクトドライバーの強さは「最大締付けトルク」という数字で表されます。
家庭で使うものは25から155N・mくらいで、家具の組み立てなら90N・mくらいで十分です。
マキタの10.8VのTD111Dは最大135N・mで、ウッドデッキくらいまでなら困りません。
TD111Dには、ネジの種類に合わせて打撃の強さを自動で変える「楽らくモード」も付いています。
10.8Vで最大135N・mのマキタのインパクトドライバー
■ドリルドライバーは家具の組み立てと穴あけに向いている
組み立て家具、パソコンまわりの小さいネジ、壁や木に穴をあける作業なら、ドリルドライバーが向いています。
組み立て家具の板は、プリント合板やパーティクルボードのようなやわらかい素材が多いです。
インパクトドライバーで一気に締めると、ネジが板にめり込んだり、ネジ穴がばかになったりします。
ドリルドライバーならクラッチを弱めにしておけば、ちょうどいいところで勝手に止まります。
小さいネジはクラッチを弱い数字から試す
ペン型のマキタで比べたレビューでは、小さいネジはクラッチ5くらいですぐ止まり、扱いやすかったそうです。
同じネジをインパクトドライバーで回すと、一瞬でネジ頭の溝をつぶしてしまったと書かれています。
2×4材にコーススレッドを打つときは、クラッチ17くらいでちょうどよく締まったそうです。
クラッチ付きで家具の組み立てに向くマキタのドリルドライバー
■マキタのインパクトドライバーには丸軸のドリルが付かない
インパクトドライバーに付けられるのは、軸が六角形のビットだけです。
ホームセンターで売っている鉄工用の丸い軸のドリルは、インパクトドライバーには差し込めません。
ドリルドライバーは先端がチャックという3つの爪でつかむ形なので、丸軸のドリルも六角軸のビットも付けられます。
インパクトドライバーで穴をあけたいときは、六角軸の木工用ドリルを選びましょう。
インパクトドライバーで穴をあけると穴がぶれやすい
六角軸のドリルを付ければ、インパクトドライバーでも木に穴はあけられます。
ただ、打撃が入ると先端が小さくぶれるので、穴のまわりが荒れやすいです。
家具の扉の金具用など、きれいな穴が必要なときはドリルドライバーを使うほうが仕上がりがきれいです。
ビットはネジ頭のサイズに合わせる
ネジなめのいちばん多い原因は、ビットのサイズがネジ頭に合っていないことです。
家具や木工のネジは2番のプラスビット、小さいネジは1番を使います。
ビットの先がすり減ってきたら、早めに新しいものに替えてください。
■マキタのインパクトドライバーでネジをなめないための使い方
インパクトドライバーは、スイッチを一気に引かず、最初は浅く引いてゆっくり回すのが基本です。
ドリルドライバーに慣れた人が、インパクトドライバーをいきなり全開で使って、ネジ頭をつぶしたりネジを折ったりすることはよくあります。
次の順番で使うと、ネジなめはかなり減らせます。
- ネジ頭に合うサイズのビットを付ける
- ネジとビットをまっすぐにして、体重をかけて押しつける
- スイッチを浅く引いて、ネジが木に入るまでゆっくり回す
- ネジが入ったらスイッチを深く引いて締める
- 打撃の音が出はじめたら、すぐにスイッチを離す
硬い木や長いビスのときは、先にドリルで下穴をあけておくと、木が割れにくくなります。
■マキタの1台目は作る物で決める
家具の組み立てや棚の取り付けが中心ならドリルドライバー、ウッドデッキや大きな家具を木から作るならインパクトドライバーを選びましょう。
作る物ごとの選び方を表にしました。
| 作る物、やること | 向いている方 |
|---|---|
| 組み立て家具、カラーボックス | ドリルドライバー |
| パソコンや家電の小さいネジ | ドリルドライバー |
| 壁や木への穴あけ | ドリルドライバー |
| 2×4材で棚や机を作る | インパクトドライバー |
| ウッドデッキ、フェンス | インパクトドライバー |
| さびたネジをゆるめる | インパクトドライバー |
マキタのバッテリーは同じ電圧どうしなら使い回せる
マキタは、同じ電圧のバッテリーなら別の工具にもそのまま付けられます。
10.8Vのスライド式どうし、18Vどうしで使い回せるので、2台目を本体だけで買うこともできます。
ただし、14.4Vと18V、10.8Vと18Vのように電圧が違うものは付けられません。
あとで2台目を足すつもりなら、1台目と同じ電圧でそろえておくとむだがありません。
1台で両方やりたいなら4モードインパクトドライバー
マキタには、インパクトとドリルを1台で切り替えられる「4モードインパクトドライバ」があります。
TP141Dは、インパクト、振動ドリル、ドリル、ネジ締めの4つを切り替えられます。
ネジ締めモードでは、電子クラッチで決めた力になると自動で止まります。
インパクトだけの機種より本体が重く、大きくなるので、天井に向けて長く使う作業は腕が疲れます。
マキタ 充電式4モードインパクトドライバ TP141DRGX
インパクトとドリルを1台で切り替えられるマキタの18V機
■強く締めるならインパクトで締めすぎ防止ならドリル
ネジを強く速く締めたいならインパクトドライバー、締めすぎを防ぎたい作業や穴あけならドリルドライバーです。
まずは、これから作りたい物と、使うネジの長さを書き出してみてください。
65mm以上のビスを何本も打つ予定があるかどうかで、どちらを先に買うかはほぼ決まります。
両方の作業がある人は、ドリルドライバーで下穴をあけて、インパクトドライバーで締める使い分けがいちばんラクです。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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