養生テープとガムテープの違いを、見た目の見分け方と素材ごとの性質に分けてご紹介いたします。引っ越しの壁の保護で跡を残してしまった方や、段ボールの底が抜けてしまった方に向けた内容です。
Q1 養生テープとガムテープは見た目でどう見分けるの?
店頭で並んでいると似て見えますが、色と表面の質感で見分けられます。素材ごとにご説明いたします。
養生テープ(ポリエチレンクロス製)
いちばん多いのは緑色で、ほかに白・青・黄があります。テープを光にかざすと、細かい格子模様が透けて見えます。これはポリエチレンのフィルムに、糸を格子に織ったクロスを貼り合わせているためです。
表面はつるりとしていて、少し透けます。厚みは薄く、巻きも軽いのが特徴です。手で引くと、格子に沿ってまっすぐ切れます。
布テープ(いわゆる布ガムテープ)
色は黄土色(茶色)が定番で、白・黒・銀もあります。表面に布の織り目がはっきり見え、光を通しません。
厚みがあり、巻きを持つとずっしり重いのが養生テープとの差です。手で切ると、切り口に糸がほつれます。
クラフトテープ(いわゆる紙ガムテープ)
色は茶色一色で、表面はつるつるした紙です。布テープより薄く、光沢があります。
手で切ろうとすると、まっすぐには切れず斜めに裂けます。テープの上から油性ペンで字を書くと、はじいて書きにくいものが多いです。
Q2 「ガムテープ」という言い方は正しいの?
ふだん「ガムテープ」と呼んでいるものの多くは、正式には布テープかクラフトテープです。
本来のガムテープは、クラフト紙に水で溶ける糊を塗って乾かしたもので、貼る前に水で濡らして糊を溶かすテープを指します。今は一般の家庭ではほとんど使われていません。
この記事でも、以下は「ガムテープ」を布テープとクラフトテープの2つに分けてご説明いたします。
Q3 素材でどんな違いがあるの?
粘着力・はがしたあと・手で切れるか・水への強さ・値段が違います。素材別に整理いたします。
| 項目 | 養生テープ | 布テープ | クラフトテープ |
|---|---|---|---|
| 粘着力 | 弱め(はがす前提) | 強い | 中くらい |
| はがした跡 | 残りにくい | 糊が残りやすい | 紙が残ることがある |
| 手で切れるか | まっすぐ切れる | 切れる(糸が出る) | 斜めに裂ける |
| 水への強さ | 強い | 強い | 弱い |
| 重ね貼り | できない | できる | できない |
| 値段 | 50mm×25mで500円前後 | 1巻400円前後 | 1巻300円前後 |
養生テープ
はがすことを前提に作られているので、粘着力はわざと弱くしてあります。短い時間なら、壁紙や塗装面に貼ってもきれいにはがせます。ポリエチレン製なので水をはじき、屋外でも使えます。
そのぶん、重ね貼りをすると上のテープがくっつきません。重い物を固定する用途には向きません。
布テープ
ゴム系の粘着剤を使っていて、3つの中でいちばん粘着力が強いテープです。でこぼこした面にも付き、寒い場所でも粘着力が落ちにくく、重ね貼りもできます。
その代わり、はがすと糊が残ります。壁紙に貼ると、はがすときに壁紙ごとめくれることがあります。
クラフトテープ
紙製で、3つの中でいちばん安いテープです。粘着面の反対側がつるつるしているので、重ね貼りはできません。
水に弱く、濡れると紙が破れます。新しい段ボールには十分に付きますが、古くて表面が毛羽立った段ボールにははがれやすいです。
Q4 用途でどう使い分ければいいの?
「あとではがすか」「重さがかかるか」の2点で決まります。
壁や床の保護、仮止め → 養生テープ
引っ越しで壁や床に保護シートを留めるとき、家具の引き出しが開かないように留めるとき、台風のときに窓ガラスに貼るときは養生テープです。作業が終わればはがすものなので、跡が残らないことがいちばん大事です。
段ボールの梱包 → 布テープ
引っ越しや宅配で段ボールを閉じるなら布テープです。引っ越し業者も、古い段ボールを使い回すときは必ず布テープを使うと言っています。強度が要るときは、底を「H」の形に貼ると抜けにくくなります。
新しい段ボールを大量に閉じる → クラフトテープ
新品の段ボールなら、クラフトテープでも布テープと同じくらい付きます。安く、はがすときにべたつかないので、開封する箱が多いときはクラフトテープのほうが楽です。
塗装の境目 → マスキングテープ
ペンキを塗るときの境目には、養生テープより細くて粘着力の弱い和紙のマスキングテープを使います。養生テープは幅が広く、細かい境目には向きません。
Q5 間違えて使うとどうなるの?
養生テープで段ボールを閉じた場合
粘着力が弱いので、持ち上げたときに底が抜けます。宅配便で送ると、途中でテープがはがれて中身が出ることがあります。養生テープは箱の「仮止め」までにして、閉じるのは布テープかクラフトテープにしてください。
布テープで壁や床を保護した場合
はがすときに糊が残り、壁紙や塗装が一緒にめくれることがあります。残った糊は、消しゴムやシール剥がし剤で少しずつ落とします。賃貸の壁なら、退去時の修繕費につながるので避けてください。
養生テープを貼りっぱなしにした場合
養生テープは短期間ではがす前提の粘着剤なので、数週間貼ったままにすると粘着剤が固まり、かえって跡が残ります。屋外では紫外線で劣化して、ぼろぼろになります。養生テープは、遅くとも1〜2週間のうちにはがしてください。
Q6 家に1本置くならどれ?
用途がはっきりしていないなら、養生テープ(緑・50mm幅)を1本置いておくのが便利です。仮止め・目印・ガラスの飛散防止・コードの束ねなど、日常の小さな用事のほとんどに使え、はがしても跡が残りません。
荷物を送る機会が多い家は、それに加えて布テープを1本用意してください。この2本があれば、貼る用事はほぼ足ります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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