日曜の午後、久しぶりに洗車をしようとホースを引っ張り出したら、カーシャンプーのボトルが空だった。台所の下にはウタマロクリーナーがある。これで洗ってしまっていいのだろうか。
答えは「その日1回だけなら、薄めて、日陰で、すぐ流せば使える。ただし毎回の代わりにはならない」です。ウタマロクリーナーは中性で、住宅用の洗剤の中では塗装への当たりが弱いほうですが、車用ではないので泡切れが悪く、ワックスやコーティングを落とすことがあります。カー用品の専門店と洗車の解説記事、知恵袋の回答を合わせて5本読み比べ、洗車の場面ごとに「使えるか、どう使うか、何を避けるか」を書きます。
場面1。ウタマロクリーナーが手元にある日曜の午後
まず、なぜウタマロなら候補になるのか。ウタマロクリーナーは液性が中性で、主成分は肌にも使われる両性の界面活性剤(アルキルベタイン)です。アルカリ性のマジックリンや酸性のトイレ用洗剤と違い、アルミや塗装を化学的に傷めにくいので、住宅用洗剤の中では洗車に転用しやすい部類です。
ただし車用の設計ではありません。ウタマロは拭き取りを前提にした処方で、カーシャンプーのような泡切れの良さがなく、水をかけてもぬめりが残ります。塗装を守る成分、さびを防ぐ成分、水アカを付きにくくする成分も入っていません。だから使うなら「その日1回だけ」の応急処置と決めます。
使うときの決まり。100倍に薄め、日陰で、パネルごとに流す
- 希釈はバケツの水10Lに原液65〜100ml(100〜150倍)。原液をボディにかけない
- 先に水で砂とほこりを流す。砂が残ったままこするとキズになる
- 日陰でボディが冷えているときに洗う。炎天下は乾いて白いシミになる
- ドア1枚、ボンネット1枚と、パネルごとに洗ってすぐ流す。全体に泡を広げない
- すすぎはカーシャンプーの倍の時間をかける。ぬめりが無くなるまで
- タイヤ、ゴムのモール、黒い樹脂には泡を付けない。付いたらすぐ流す
- 拭き上げたら、ワックスかコーティング剤で保護をかけ直す
一番の失敗は、ぬめりが残ったまま乾かすことです。洗剤の成分が塗装の細かい凹凸に入って白い斑点になり、水では落ちなくなります。黒や紺の車ほど目立つので、すすぎに時間をかけます。
場面2。台所用洗剤しかない夜
ウタマロも無く、あるのは食器用の中性洗剤だけ。この場合も1回なら使えますが、ウタマロより条件が厳しくなります。食器用洗剤は界面活性剤がカーシャンプーの数倍から十数倍濃く、脱脂力が強いので、ワックスや簡易コーティングをその場で落とします。使うなら水10Lに小さじ1杯(約5ml)の500〜1,000倍で、うっすら色づく程度にとどめます。
洗っているときに「キュッ」と手が止まる感覚があれば、潤滑が足りていない合図です。スポンジと塗装の間で砂がこすれてキズになるので、その場で水を足すか、洗うのをやめます。夜に洗うなら、翌朝の日差しで乾く前に拭き上げまで終えます。
場面3。虫の跡と鳥のフンだけ落としたい朝
ボディ全体を洗うほどではなく、高速道路の虫の跡と鳥のフンだけ落としたい。この場面なら、洗剤ではなく重曹が向いています。重曹は弱アルカリ性で、虫やフンのタンパク質を浮かせます。ペースト状にしてこすると塗装を削るので、必ず水によく溶かし、含ませたタオルを当てて数分置いてから、軽くなでて拭き取ります。そのあと水で流し、乾く前に拭きます。
白い水アカやウロコ状の汚れは、酸性のクエン酸が効きます。ただし金属パーツに残るとさびるので、塗装面だけに使い、終わったらたっぷりの水で流します。どちらも「部分用」で、全体の洗車には使いません。
場面4。コーティングしたばかりの車のとき
ガラスコーティングやディーラーのコーティングを施工した車は、家庭用洗剤を使わないのが答えです。ウタマロも台所用洗剤も、コーティングの膜を痛める可能性があり、施工店の保証が「指定外の洗剤の使用」で対象外になることがあります。数百円のシャンプー代を惜しんで、数万円のコーティングと保証を失うのは割に合いません。
コーティング車で水洗いだけをするのも避けます。水だけだと砂を包めず、スポンジで砂をこすってキズになります。シャンプーが無い日は、洗わずに翌日まで待つほうが車のためです。
場面5。翌日、店に買いに行けるとき
代用で1回しのいだら、次はカー用品店かホームセンター、100円ショップへ行きます。100円ショップのカーシャンプーでも、中性で車用に作られているぶん、ウタマロより塗装に合っています。定番のシュアラスター カーシャンプー1000は1Lで700円前後、500〜1,000倍に薄めて使うので1回20〜50円で、ウタマロを毎回使うより安く済みます。
専用品には、泡切れをよくする成分、塗装を守る成分、さびを防ぐ成分、水アカを付きにくくする成分が入っています。この差は1回では見えませんが、半年、1年と積み重なると、艶とコーティングの持ちに出ます。
| 場面 | 使うもの | 希釈 | 決まり |
|---|---|---|---|
| ウタマロがある | ウタマロクリーナー(1回だけ) | 10Lに65〜100ml | 日陰、パネルごとに流す、すすぎ倍、後で保護 |
| 台所用洗剤しかない | 中性の食器用(1回だけ) | 10Lに小さじ1杯 | ワックスが落ちる前提。ゴムに付けない |
| 虫・鳥のフンだけ | 重曹を溶かした水 | 溶けるまで薄める | こすらず置いて拭く。部分だけ |
| 水アカだけ | クエン酸水 | 薄めて | 金属に残さない。塗装面だけ |
| コーティング車 | 家庭用は使わない | 使わない | 翌日まで待つか専用品を買う |
| 買いに行ける | 専用カーシャンプー | 500〜1,000倍 | 1回20〜50円。毎回これ |
ウタマロは「1回の応急処置」。毎回の洗車は専用品で
ウタマロクリーナーは中性で住宅用洗剤の中では洗車に転用しやすく、100〜150倍に薄めて日陰でパネルごとに洗い、倍の時間すすいで保護をかけ直せば、その日1回はしのげます。ただし泡切れが悪く、ワックスやコーティングを落とし、乾くと白いシミになる洗剤なので、毎回の代わりにはなりません。コーティング車なら使わず、翌日に1回20〜50円で済む専用品を買うのが、車にも財布にも合う答えです。
空のボトルを見つけた日曜の午後は、ウタマロで1回だけ洗って、来週の買い物リストにカーシャンプーを1本足しておいてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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