タイヤチェーンは買ったものの、箱を開けたまま一度も付けたことがない。雪の日に路肩で説明書を読みながら付けるのは、寒さと暗さで思った以上に大変です。
タイヤチェーンを簡単に付けるには、駆動輪を先に確かめ、種類ごとの手順を家で一度練習しておくことが重要です。オートバックス、イエローハット、ソフト99、国土交通省の案内をもとに、付ける場所と準備、非金属・金属・布製の付け方、付けた後の走り方、外し方、簡単に済ませるコツの順に書きます。
タイヤチェーンは駆動輪に付ける。前輪か後輪かを先に確かめる
タイヤチェーンは4本すべてに付けるのではなく、エンジンの力が伝わる駆動輪の2本に付けます。前輪駆動(FF)の車は前輪、後輪駆動(FR)の車は後輪で、4WDは車種によって前後どちらか、または全輪に指定があるので、取扱説明書で確かめる必要があります。軽自動車とコンパクトカーの多くは前輪駆動です。
前輪に付けるときは、ハンドルを左右いっぱいに切ると、タイヤが斜めになって裏側に手が入りやすくなります。この一手間で、作業時間が大きく変わります。
付ける前に用意する物と、作業する場所
用意する物は、滑り止めの付いた手袋、両手が空くヘッドライト、使い捨てカイロ、防寒着です。イエローハットの案内でもこの4つが挙げられています。作業する場所は、平らで交通の少ない駐車場か路肩で、雪が積もり始める前に済ませるのが安全です。坂道や凍った路面では車が動く恐れがあり、ハザードランプを点けてから始めます。
取扱説明書には事前の取り付け練習が書かれています。買った日に自宅の駐車場で一度付けて外しておくと、雪の日に手順で迷わずに済みます。
タイヤチェーンの付け方【非金属製】
ゴムやウレタンの非金属チェーンは、柔らかく扱いやすいので、初めての人に向いています。オートバックスと国土交通省の手順を合わせると、次の順になります。
手順1 スパイクが路面側になる向きに広げる
チェーンを地面に広げ、金属のスパイクが付いた面が上(路面に当たる面)になっているかを確かめます。裏表を間違えるとスパイクがタイヤを傷めるので、ここが最初の確認点です。
手順2 タイヤの裏側に回し込み、両端を上に持ち上げる
チェーンをタイヤの後ろ側から差し込み、両端をタイヤの上まで引き上げます。ハンドルを切っておくと、裏側に手が届きやすくなります。
手順3 裏側の上部ジョイントをつなぐ
タイヤの裏側で、上部のジョイント(連結部)を先につなぎます。裏側を先に留めるのが決まりで、表側から留めると裏が届かなくなります。
手順4 地面側のチェーンを引き、下部のフックをつなぐ
タイヤの下に残ったチェーンを引き出し、下部のフックを留めます。たるみがあれば、チェーン全体をタイヤに沿って整えます。
手順5 上部のフックを留め、ロックする
表側の上部フックを留め、ロック機構のある製品はロック部品をかけます。イエローハットの案内では、この段階でチェーンの位置を整えてから固定するのが重要とされています。
手順6 ゴムバンドを均等に掛ける
付属のゴムバンドやスプリングを、タイヤの中心から放射状に均等に掛けます。偏ると走行中に片寄って外れやすくなるので、対角線の順に掛けると均等になります。
タイヤチェーンの付け方【金属製】
金属チェーンは、凍った路面に強く収納がコンパクトな反面、付けるときに絡まりやすい点に注意が必要です。手順はソフト99と国土交通省の案内で共通しています。
- チェーンを地面に広げ、ねじれと絡まりをほどき、裏表と連結部の向きを確かめる
- タイヤにチェーンを被せる。前輪ならハンドルを切って作業する
- タイヤ裏側の両端のフックを先に留める
- チェーンが均一になるように整えてから、表側のフックを留める
- 金具の連結部を起点に、付属のゴムバンドのフックを均等に掛ける
- 車を少し走らせて止め、たるみがあれば掛け直す
金属チェーンは装着後に必ず一度走って張り具合を確かめます。数十メートル走るとチェーンがタイヤになじんでたるむので、止めて掛け直すこの「増し締め」を省くと、走行中に外れて車体を傷めます。
タイヤチェーンの付け方【布製】
布製は3種類の中でいちばん簡単で、ジャッキも金具も要りません。タイヤの上半分に布を被せ、車を半回転ぶん前に進めて止め、残った下半分を被せるだけで終わります。手が汚れず、5分ほどで付けられるので、年に数回しか雪道を走らない人に向いています。
チェーン規制に対応した製品かどうかは、パッケージの表示で確かめてください。布製は摩耗が早く、乾いた路面を長く走ると破れるので、雪の区間を抜けたら外します。
付けた後の確認と、走り方の決まり
付け終わったら、車を数十メートル走らせて止め、全体のたるみとゴムバンドの位置を確かめて掛け直します。走行速度の上限は、金属製が時速30km、非金属製が時速50km、布製が時速40〜50kmで、これを超えるとチェーンが切れて車体を傷める可能性があります。
急発進はタイヤが空転してチェーンが路面に打ち付けられ、急ブレーキはチェーンがねじれる原因になります。雪と氷の無い乾いた路面に出たら、速やかに外すことが重要です。
外し方と、次の冬までの保管
外すときは付けた順の逆で、ゴムバンド、表側のフック、裏側のジョイントの順に外し、チェーンを地面に落としてから車を前に出して回収します。布製は下半分をめくって半回転前に出し、残りを外します。
外したチェーンは、雪と塩分が付いたままだと金属がさびます。水で流して泥と融雪剤を落とし、完全に乾かしてから袋に戻すと、次の冬にそのまま使えます。ゴム製は直射日光を避けて保管すると硬化を防げます。
タイヤチェーンを簡単に付ける3つのコツ
1つ目は、買った日に家で一度付けて外すことです。取扱説明書の絵と実物の向きを一度合わせておくと、暗い路肩でも手が動きます。2つ目は、前輪ならハンドルを切ってから始めることです。裏側の作業が楽になり、手袋のまま留められます。
3つ目は、雪が積もる前に付けることです。積もってから路肩で付けると、雪で手がかじかみ、車の下に手を入れる作業が危なくなります。天気予報で雪の予報が出た朝に、駐車場で付けてから出発してください。
タイヤチェーンの付け方は、駆動輪に裏側から留めて、走って増し締め
タイヤチェーンを簡単に付けるなら、駆動輪の2本にハンドルを切って裏側から回し込み、裏のジョイント、下のフック、表のフック、ゴムバンドの順に留め、数十メートル走って掛け直します。金属は時速30km、非金属は時速50kmまでで走り、乾いた路面に出たら外す。この順を家で一度練習しておけば、雪の日でも10分ほどで付けられます。
手袋とヘッドライトを車に積んでおくだけでも、路肩での作業のつらさは半分になります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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